『法人企業統計調査』とは??(財務省が公表している四半期ごとの売上や設備投資がわかる経済指標)

(1)はじめに

公認会計士櫻井

こんにちは。公認会計士の櫻井です。

【この記事の目的】

この記事は、読者の方の『経済を分析する力』を向上させることを目的として公開しています。

経済を分析する力』が向上すると、株式投資において非常に役立ちます。

(2)どのように「経済を分析する力」をつけるか?

公認会計士櫻井

『経済を分析する力』は、『経済指標』を理解することで、向上します。

経済指標を理解することで、経済を「数字」で分析することができます。

(3)今回の経済指標:「法人企業統計調査

公認会計士櫻井

この記事では『法人企業統計調査』という経済指標について、解説していきます。


この経済指標は、「経済」という大きなカテゴリーの中でも投資」を分析するために役立つ指標です

(4)この経済指標をみることで「わかること」

法人企業統計調査」をみることで、日本国内の設備投資が、現在どういった状態にあるのか?が、『数字』でわかります。

(5)法人企業統計調査とは??

法人企業統計調査(ほうじんきぎょうとうけいちょうさ』とは企業の「売上」「経常利益」「設備投資」などを財務省が四半期ごと(3ヶ月に一回)に集計して公表している経済指標です。

対象となるのは「資本金が1,000万円以上」の企業です。また、調査対象には金融機関や保険会社は除かれています。

(6)この経済指標の「重要性」

公認会計士である筆者の意見としては、「法人企業統計調査」はとても重要な指標だと言えます。

5段階評価でいうと、「5.0★★★★★」です。

その理由は、四半期ごとに公表されるため、他の「毎月」公表されるような経済指標に比べると公表回数は少ないものの、資本金1,000万円以上の企業の「設備投資」の動向がわかる貴重な経済指標であるからです。

また、ニュース等でもよく取り上げられる「注目度の高い指標」です。

(7)実際の「法人企業統計調査

こちらが、実際の「法人企業統計調査です。

(8)この経済指標をチェックするときの「ポイント」

この指標をチェックするときのポイントは、『季節調整済前期比』の「設備投資」の「製造業」と「非製造業」値(%)をチェックすることです。

この値(%)は、日本国内の「比較的大きな会社(=資本金1,000万円以上の企業)」の、設備投資が、3ヶ月前(前期比)に比べて増えているのか減っているのかをあらわしています。

公認会計士櫻井

上記の画像でいうと、「2025年7〜9月の、国内設備投資は、2025年4〜6月に比べて▲1.4%減少してしまった」ということを示しています。

▲1.4%の内訳としては、メーカーの設備投資が▲5.1%減少、一方でサービス業の設備投資は+0.7%増加していた、ということがわかります。

また「前年同期比」をみることで、去年の同じ時期を比べてどのように増減しているか、がわかります。

公認会計士櫻井

上記の画像でいうと、「2025年7〜9月の、国内設備投資は、2024年7〜9月に比べると+3.3%増加していた」ということを示しています。

(9)どこで発表される??

法人企業統計調査は、財務省(財務総合政策研究所)ホームページで公表されます。

リンクは⇨こちら

下記画像が財務省(財務総合政策研究所)のホームページですが、赤線の「四半期別結果」の箇所に「四半期ごとのデータ」が公表されます。

(10)いつ発表される??

法人企業統計調査は、『四半期ごと(3ヶ月に1回)』発表されます。

発表頻度四半期ごと
具体的な公表日は?:おおむね第1週目
(例:12月に発表された法人企業統計調査⇨具体的には、12月1日に発表)
発表されるデータはいつのもの?:2ヶ月前のデータ(5ヶ月前〜2ヶ月前までのデータ)
(例:12月1日に公表されるのは⇨7月1日〜9月30日分のデータ)

(11)まとめ

重要性:『5.0★★★★★』(5段階評価)

見るべきデータ:『季節調整済前期比』の「設備投資」の「製造業」と「非製造業」値(%)

発表頻度:『四半期ごと』

発表元:『財務省(財務総合政策研究所)』

リンク:⇨こちら

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