『企業物価指数』とは??(日銀が公表しているCPIの先行指標となる物価指数)
目次

(1)はじめに

こんにちは。公認会計士の櫻井です。
【この記事の目的】
この記事は、読者の方の『経済を分析する力』を向上させることを目的として公開しています。
『経済を分析する力』が向上すると、株式投資において非常に役立ちます。
(2)今回の経済指標:「企業物価指数」

この記事では『企業物価指数』という経済指標について、解説していきます。
この経済指標は、「経済」という大きなカテゴリーの中でも「物価」を分析するために役立つ指標です。
(3)この経済指標をみることで「わかること」
「企業物価指数」をみることで、「日本国内のスーパーなどでモノを仕入れる際の価格(物価)が、現在どういった状態にあるのか?」が、『数字』でわかります。
国内の「物価」を分析する上では、CPI(消費者物価指数)が最も重要ですが、その「先行き」がわかるのが、企業物価指数です。(仕入れの価格が上がれば、最終商品の価格も上がる傾向にあります。)
ただし、日本国内には「最終商品を、値上げしずらい」という特徴があります。
なので、「先行き」とういう側面の他に、『企業の仕入れが上がっている場合に、その上昇分を価格転嫁できているかどうか』が、この指標を見ることでわかります。
(4)企業物価指数とは??
消費者物価指数(CPI)は、みなさんが購入するモノとサービスの価格の変動をあらわし、日銀が金利を上げるべきか下げるべきか決定する際の判断材料にもなっています。なので、CPIは、国民の生活に最も影響を及ぼす物価指標です。ただし、CPIの他にも、企業間で売買されるモノとサービスの価格の変動をあらわす指標があります。それが、「企業物価指数」と「企業向けサービス価格指数」です。
『企業物価指数(きぎょうぶっかしすう)』とは、企業間で売買される「モノ」の価格の変動をあらわす指標です。
(※『企業向けサービス価格指数』は、企業間で売買される「サービス」の価格の変動をあらわす指標です。)
(5)この経済指標の「重要性」
公認会計士である筆者の意見としては、「企業物価指数」は時間があれば見るべき指標だと言えます。
5段階評価でいうと、「2.0★★」です。
その理由は、CPIの先行きがわかる指標であるため時間があればチェックしたいが、最重要指標はあくまでもCPIであるからです。
また、ニュース等でもよく取り上げられるのは「CPI」です。
(6)実際の「企業物価指数」
こちらが、実際の「企業物価指数」です。

(7)この経済指標をチェックするときの「ポイント」
この指標をチェックするときのポイントは、『国内企業物価指数』の「前月比」の値(%)をチェックすることです。


上記の画像でいうと、「2025年11月の国内企業物価指数は前月比で+0.3%上昇した」ということがわかります。
(8)どこで発表される??
企業物価指数は、日銀(日本銀行)のホームページで公表されます。
リンクは⇨こちら
(9)いつ発表される??
企業物価指数は、『毎月』発表されます。
・発表頻度:毎月
・具体的な公表日は?:おおむね第2週目(毎月10日〜15日あたり)
(例:12月に発表された企業物価指数⇨具体的には、12月10日に発表)
・発表されるデータはいつのもの?:前月のデータ
(例:12月10日に公表されるのは⇨11月分のデータ)
(10)まとめ
★重要性:『2.0★★』(5段階評価)
★見るべきデータ:『国内企業物価指数』の「前月比」の値(%)
★発表頻度:『毎月』
★発表元:『日銀』
★リンク:⇨こちら

